モダン・タイムズの妙巧/瀬尾和紀(フルート)
曲目・内容ジークフリート・カルク=エーレルト Sigfrid Karg-Elert (1877-1933)1.ソナタ・アパッショナータ 嬰ヘ短調 作品140Sonate appassionata in fis-moll, Op.140 (1917)パウル・ヒンデミット Paul Hindemith (1895-1963)2-9.8つの小品8 Stücke für Flöte allein (1927)No.1 : Gemächlich, leicht bewegtNo.2 : ScherzandoNo.3 : Sehr langsam, frei im ZeitmaßNo.4 : GemächlichNo.5 : Sehr lebhaftNo.6 : Lied, leicht bewegtNo.7 : RezitativNo.8 : Finaleエルンスト・フォン・ドホナーニ Ernst von Dohnányi (1877-1960)10.パッサカリア 作品48-2Passacaglia for flute solo, Op.48-2 (1959)パウル・ヒンデミット Paul Hindemith (1895-1963)11-13.カノン風ソナチネ 作品31-3Kanonische Sonatine für Zwei Flöten, Op.31-3 (1923)※I. MunterII. Capriccio / Langsame AchtelIII. Presto※パトリック・ガロワ(第2フルート) Patrick Gallois, second fluteジークフリート・カルク=エーレルト Sigfrid Karg-Elert (1877-1933)14-43.30のカプリス 作品10730 Capricen für Flöte allein, Op.107 (1917)No.1 : Tempo giustoNo.2 : Un poco mosso, ma non brillanteNo.3 : Allegro alla Händel (non troppo brillante)No.4 : Velocissimo e brillanteNo.5 : Allegro giustoNo.6 : Appassionato e strettoNo.7 : Moto perpetuoNo.8 : Con molto brioNo.9 : Rapido e brillanteNo.10 : Leggero e veloceNo.11 : Velocissimo e molto leggeroNo.12 : Leggero, grazioso e veloceNo.13 : Leggerissimo e graziosoNo.14 : Moto perpetuoNo.15 : Mosso e leggerissimoNo.16 : Un poco mosso, umoristicoNo.17 : Leggero veloce, giocosoNo.18 : Adagio (quasi cadenza)No.19 : Vivacissimo, scintillanteNo.20 : Ardito capriccioso ed assai mossoNo.21 : In tempo di WalzerNo.22 : Agitato ed appassionatoNo.23 : Adagio appassionato (quasi recitativo) No.24 : Rapido quanto e possibile(con suono sempre aguzzo)No.25 : Un poco vivace e capricciosoNo.26 : Capriccioso, con civetteriaNo.27 : Un pochettino mosso (ben articolato) No.28 : Sciolto, elegante e rapido No.29 : Velocissimo e frizzante No.30 : Chaconneヨハン・ゼバスティアン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)44.チャッコーナ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調WV 1004より)Ciaccona, aus der Partita Nr. 2 in d-moll, BWV 1004 (1720)瀬尾和紀編曲 arr. Kazunori Seo(2004)アーティスト(演奏・出演)瀬尾和紀(フルート)- Kazunori Seo, flute瀬尾 和紀 フルート 1998年、パリ国立高等音楽院を首席で卒業すると同時に、ニールセン、ランパル、フランセ、ジュネーヴなど国際コンクールで立て続けに優勝・入賞を果たした瀬尾和紀は、ただちにソリストとして脚光を浴び、日本はもとよりヨーロッパ諸国や北南米、また中国、台湾、韓国などのアジア諸国において演奏活動を行っている。 日本においては1999年に東京都交響楽団とイベールのフルート協奏曲を共演してデビュー以来、東京シティ・フィル、新日本フィル、日本フィル、読売日本交響楽団、札幌交響楽団、大阪フィル、広島交響楽団、九州交響楽団など各地のオーケストラからソリストとして招かれ、バロックから現代の協奏曲に至るまで幅広いレパートリーで共演を重ねている。その他、2006年にはフランスの作曲家アンリ=ジャン・シュブネルが瀬尾のために書き下ろしたフルート協奏曲をシンフォニア・フィンランディアと初演。また2016年にはドイツ・ハンブルクの新進気鋭の弦楽合奏団《アンサンブル・レゾナンツ》から招かれ日本公演の際のソリストとして共演したほか、2020年にはロシアの名門マリインスキー歌劇場管弦楽団とペンデレツキのフルート協奏曲を演奏するなど、海外オーケストラとの共演も多い。 レコーディング活動も精力的に行っており、NAXOSレーベルでデビューした瀬尾は現在まで同レーベルから11タイトルのCDをリリース。エラート/ワーナー・ミュージックでも録音したのち、現在は、自ら「レ・メネストレル」と「ヴィルトゥス・クラシックス」の2つのCDレーベルを立ち上げ、自身の録音の他、レコーディング・プロデューサーとしても活動している。 近年はフルーティストとしてのみならず共演ピアニストとして活動の場を広げ、師であるパトリック・ガロワとのデュオ・リサイタルや録音活動も行うなど多事多端。 音楽監督として秋吉台ミュージック・アカデミー(山口県)を主宰する他、名古屋音楽大学客員准教授を務めるなど教育活動にも取り組む。これまでに京都芸術祭賞(1999年)、北九州市民文化賞(2000年)、福岡県文化賞(2004年)を受賞。レコーディング2006年-2010年フィンランド、ユヴァスキュラ近郊-★『レコード芸術』特選盤(2022年8月号)★-商品番号:VTS-18瀬尾和紀(フルート)モダン・タイムズの妙巧The Spark of Modern Times [瀬尾和紀(フルート)]CD国内盤 発売日:2022年05月20日 Les Ménestrels & Virtus Classics真のヴィルトゥオージティとは何かを問う「グラドゥス・アド・パルナッスム」フルートの美点を保った上での限界点の追求という困難な課題に立ち向かう瀬尾の演奏は、まさに堅牢な土台の上に大伽藍を描いたもの。近代フルート音楽における無伴奏作品の存在意義をあらためて知らしめた珠玉の一枚。西村 祐 近年、ピアノ演奏やプロデューサーとして多彩な活動をする瀬尾和紀が、本来の楽器であるフルート、それも無伴奏作品でその真価を問う1枚が登場。選ばれた作品はカルク=エーレルトの「30のカプリス」を中心に、ドホナーニ、ヒンデミットの近代作曲家の小品と、瀬尾自身がアレンジしたJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より「チャッコーナ」というもので、2本のフルートで演奏されるヒンデミットの「カノン風ソナチネ」には、彼の師であるパトリック・ガロワが参加。なんとも贅沢で聴きごたえのある1枚に仕上がっています。カルク=エーレルトはドイツ後期ロマン派のオルガニスト兼作曲家。木管楽器のための作品も数多く、なかでも第一次世界大戦中、軍楽隊でライプツィヒ・ゲヴァントハウスのフルーティスト、カール・バルトゥザット(Carl Bartužat)と親交を持ったことでフルートのための重要な作品を残しました。この「30のカプリス」は副題に“グラドゥス・アド・パルナッスム=パルナッソス山への階梯”と付けられており、芸術や学問の聖地とされるパルナッソス山へ段階を踏んで登っていくように、高度な技術を磨いていくための練習曲との意味合いを持つ曲集。フルートを愛する人ならば、ぜひ聴いていただきたい重要な作品です。最後に置かれたバッハのチャコーナでの緊張感に満ちた音楽も聴きどころ。作曲家検索リンク(このタイトルに収録されている作曲家)カルク=エーレルトヒンデミットドホナーニJ.S.バッハ
3,300円