【故・山口安次郎謹織】山口織物 傑作手織唐織袋帯≪御仕立て上がり・中古美品≫「厳島花鳥文」織りに励み…織りを愛し一世紀。匠の魂が宿る逸品!
◆最適な着用時期 10月〜翌年5月の袷頃◆店長おすすめ着用年齢 ご着用年齢は問いません ◆着用シーン 結婚式・披露宴、式典、パーティー、ご挨拶、ご入卒・七五三のお付き添い、音楽鑑賞、観劇など ◆あわせる着物 訪問着、付下げ、色無地など 絹100%長さ約4.4m 六通柄 耳の縫製:かがり縫い 【仕入れ担当 田渕より】大和の優彩が綾なす、能装束ゆかりの意匠美…もちろんのこと、ご存命ではいらっしゃいませんから、今後出てくることもない作品でございます。「山口安次郎」謹織の唐織は、 安次郎の精神に基づく本物の技術を継承しています。 その技法は日本糸から生まれた生糸そのままの経糸と 複雑な織組織からできる世界一豪華な本当の唐織です。 さらに一つ一つの織文様を表す縫い取りを、 限界まで裏糸を渡さずに織る、非常に手間のかかる技術です。 これこそ安次郎が誓った自らの集中力を極限まで発揮した 山口織物を代表する手織、唐織の帯です。 京都・室町におりましても、 まずお見かけすることのない逸品でございます。 匠の魂が宿る逸品に、 感嘆の声を漏らさずにはいられない方も多いことと思います。 大変稀少な袋帯を、この機会にどうぞご堪能くださいませ! 【お色柄】わずかにシャリ感ある唐絹地は、深みのある涅色。本唐織の比類なきボリュームで厳島花鳥文と題された、春秋の草花に蝶に鳥の意匠が織りなされました。渡りが多いと、その分重くなり能を舞う人に負担をかけるからと、本物にこだわり続け、草木染の研究、繭の研究にまで心血を注ぎ完成させた技法で、この袋帯も織られております。穏やかな色使いと確かな技による上品さ、格調高さを兼ね備えた、本物の唐織。格調高き美意匠が、一切の無駄なくすっきりとまとめられて。確かな唐織の技術をとくとご堪能いただける仕上がりです。織りに励み… 織りを愛した方の魂を感じていただければと願い、お届けさせていただきます。 【商品の状態】中古品として仕入れて参りましたが良好です。うっすらと締め跡pがございますのでお届け前にプレス加工をサービスいたします。【山口伊太郎・安次郎について】織物の町、西陣。 この町が世界に誇るご兄弟… 山口伊太郎翁(1901-2007)、山口安次郎翁(1904-2010)。 昨年秋の相国寺承天閣美術館における「能装束展」の際には、 特別イベント「相賀の能」に翁自身お越しになられており、 御歳を感じさせないその矍鑠(かくしゃく)とした佇まいに 連綿と受け継がれる西陣匠の風格を感じたものです。 その翁も… 2010年2月7日、惜しまれつつも永眠されました。 伊太郎氏は「源氏物語錦織絵巻展」を織り上げ105歳にてご逝去、 安次郎氏も、12歳で家業に従事されて以来、生涯現役でいらっしゃいました。 27歳に独立、太平洋戦争にて一時中断をよぎなくされるも43歳で再開、 昭和25年(1950年)にはGHQ最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥に 能装束裂地を寄贈し、同時に金剛流能装束を復元。 55歳よりは事業を息子に譲り、江戸時代の能装束の復元に専念、 能楽宗家の依頼だけでも130領、総数では300領を超える能装束を手がけたという… 究極の表現技術を用い、織物による源氏物語の再現を目指した兄。 自ら製織し、能装束300領をも完成した弟。 それらはフランス・ギメ東洋美術館、英国・V&A美術館等をはじめ、 世界各地の美術館に収蔵されています。 一世紀の時を経て— 兄弟の偉業は、西陣の伝説になりつつあります。本品は、その安次郎氏による特選品でございます。 次代に伝わる翁の織技や感性、美へのこだわりというものは、 安次郎氏創業による山口織物に、しっかりと伝えられております。 明治37年(1904年) - 京都・西陣で生まれる。 大正5年(1916年) - 12歳で家業に従事。 昭和6年(1931年) - 27歳で創業。その後、太平洋戦争開戦により一時中断。 昭和22年(1947年) - 43歳の時に再開。 昭和25年(1950年) - 連合国最高司令官マッカーサー元帥に能装束裂地を寄贈。 同時に、金剛流能装束を復元。 以来、能楽宗家の依頼により数々の能装束を手がける。 昭和59年(1984年) - スウェーデン国立民俗博物館で能装束展を開催。 イギリス・チャールズ皇太子夫妻の西陣見学の際に、 織の実演を行うと共に能装束を献上。 昭和60年(1985年) - デンマーク国立博物館で能装束展を開催。 平成11年(1999年) - フランス・リヨンで能装束展を開催。 平成12年(2000年) - 能装束「厚板立涌に牡丹文様」を ヴィクトリア&アルバート博物館に寄贈。 平成14年(2002年) - 東京・大倉集古館にて 「山口伊太郎・山口安次郎兄弟二百歳記念 千年の織物 二百歳の夢」展を開催。 平成15年(2003年) - イギリス・ロンドンにて能装束展開催。 平成17年(2005年) - 静岡・佐野美術館にて「特別展 千年の伝統をつむぐ西陣の織物 山口伊太郎・山口安次郎の世界」展を開催。 平成21年(2009年) - 9月14日より京都 相国寺・承天閣美術館にて 「山口安次郎作 能装束展−心と技の饗宴−」を開催。 平成22年(2010年) - 老衰で死去。享年107(満105歳没)。 撥水加工をご要望の場合はこちら (ガード加工 帯) (パールトーン加工 袋帯) ※仕立て上がった状態で保管されておりましたので、折りたたみシワが付いております。この点をご了解くださいませ。 [文責:山中 千尋] ▲ サブ画像をクリックすると拡大画像がご覧になれます。
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